2chの創始者、ひろゆきの本。著者なりの物事の考え方をストレートに表現する一冊。若い人を中心にベストセラーになった一冊。
いろいろ書いてあるが、多分要約すると「効率良く、目標をクリアにして、論理にあったことをやっていこう」ということのように思う。詰まるところ、旧態依然として慣例に囚われにっちもさっちも行かなくなってしまった日本社会へのカウンターと言える。そして、そんな本が日本社会ではウケている。みんな窮屈さに耐えかねているということだろう。
個人的には「当たり前のことが書いてある本」という感じだった。そしてこの感覚は、宮本武蔵の「五輪書」を読んだときに近い。宮本武蔵も、当時の剣術の世界に蔓延っていた気合や神頼みのようなものをスッパリと否定した人である。ただ、世界の法則に合わせ合理的に行動することが自らの剣の道だと説いた。
なるほど。現代の日本社会も同じなのかもしれない。論理性よりも感情が優先されて、訳のわからないことに人々は一喜一憂している。とすれば、この一冊は世間に冷や水をぶっかけている。頭を冷やせということか。
日本人は熱しやすく冷めやすい国民性だ。いいところも悪いところもあるが。この本が売れるということは、今は熱に浮かれて騒ぐより、頭を冷やすときなのだろう。