続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

本へのとびら ー岩波少年文庫を語る 宮崎駿

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

「児童文学は、そういう流行とは関係のない隅っこのところにあるということでしょうね」(著者)

宮崎駿監督がかつて読み漁ったという児童文学について語る。

3部構成で、第1部はスタジオジブリで配布されていた小冊子を再編したもの。短い推薦文だが、自分がかつて読んだことのある本のページを読むと宮崎駿の目線が垣間見えて面白い。また、素朴な言葉の中に読んでみたいと思わせる力を感じた。ハイジ、アリエッティ、マーニー、ゲド戦記など、監督が手がけた、あるいはジブリが映画化した作品の原作についてもとりあげられている。これを読んで映画を見たら、また見えるものがあるのかもしれない。

第2部と第3部は監督へのインタビューをもとに、監督の児童文学についてあれこれ感想や意見がまとめられている。監督の目線は「作り手」の目線で、子供にむけてものを作ることの面白さ、難しさが感じられる。また常に「時代」を意識する監督の目線も感じられる。宮崎駿とう人の仕事感じられる一冊だった。