続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

ビブリア古書堂の事件手帖


『人の手から手へ渡った本そのものに、物語があると思うんです』篠川 栞子

古本屋の店長、栞子さんを探偵に、バイトの主人公をワトスン役にした探偵もの。事件には必ず古本が関わるところが面白い。古本なんてブックオフAmazonで買うだけのぼくからすれば、価値ある貴重な古本を扱う『古書店』というものは新鮮な世界だった。

個人的には第三話が好きだ。ネタバレになるといけないので、詳細はには触れない。この話にはある夫婦が登場する。夫は非常に論理的、妻は全く逆で感情的だ。そんな彼らが『論理』に関する本を通して、お互いのことを理解していく。違う世界に住むもの同士が、心を通わせる、という展開にぼくは弱い。

全体を通してだと、個人的には、もっと登場する本の内容ががっつり事件と関連するかと思っていたので少し残念(それでも十分面白い)。どちらかといえば、本そのものより、本を通して個性豊かなキャラクターが描かれているといった印象だった。