続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

夜は短し歩けよ乙女

『なむなむ!』(黒髪の乙女)

森見登美彦の不思議空間。これはまさに現代版『不思議の国のアリス』である!
表紙の摩訶不思議な絵に惹かれて読んでみれば、まさにその内容も摩訶不思議。
二人の主人公の一人、クラブの『後輩』はひょんなことから不思議な世界に飛び込んでいく。この作品が面面白いのは、さらに彼女に恋い焦がれるもう一人の主人公、『先輩』が彼女の後姿を追い求め、白兎を追うアリスのごとく、不思議な世界へ巻き込まれて行くところだ。二人はそれぞれ奇妙にすれ違いながら、不思議の世界を冒険する。
現実ともファンタジーともとれない奇妙な世界で、様々な個性豊かなキャラクターが絶妙に絡み合っていく。なんとも爽快な感覚だった。