続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

六番目の小夜子 恩田陸

 

 とある進学校には伝説とも言える伝統があった。3年に一度、学生の一人が「サヨコ」に選ばれる。サヨコは正体を知られぬように一年間のイベントをこなし、学園祭の劇で主役を務めるのだ。サヨコの活躍はその年の大学受験の成否と関わるとされていた。謎にみちた伝統を下敷きに、高校は今年「6番目の小夜子」の年を迎える。

 

 青春・ホラー・ミステリ。そんな言葉をかけ合わせてできたような小説。たぶん、中学時代に読んだら楽しめたのだと思うが、今現在いいおっさんのぼくには少々辛い。というのもこの小説は「雰囲気」を味わうことが求められるからだ。想像力たくましく、あれやこれやと妄想を繰り広げながら読まないと楽しめない。仕事でくたびれたおっさんは休日とはいえそんな馬力が残っていないのだ。

 

 というわけで、ぼくはこの本について何もいう資格がない。強いて言わせてもらうなら、オチはちゃんと付けてほしかったというところか。しかし、まぁそれも雰囲気作りの一環といわれればそのとおり。うーむ。