沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二 夢枕獏
シリーズ第2巻。唐の都長安では次々と奇怪な出来事がおこり、空海は時に自ら、時に巻き込まれつつ様々な事件に関わっていく。少しづつものごとの裏に暗躍する大きな存在を感じつつ、空海はことの真相を目指す。
相変わらずさらさら読める。流れるような物語の中で、いろんなことが動いている。あれこれと想像してみるのもおもしろい。
最盛期の長安という都の描写がとても良い。大陸中のあらゆる人種が入り混じり、あらゆる文化がないまぜになり、坩堝としての長安の姿は大変おもしろい。歴史に疎い僕などからすれば「こんな大昔にこんな都会があったとは」という感じだ。
全4巻の長編なので、まだしばらくあれこれと物語は動くのだろう。結末をあれこれ想像しながら、いにしえの長安の都を楽しんいきたいと思う。