続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二 夢枕獏

 

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二 (角川文庫)

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二 (角川文庫)

  • 作者:夢枕 獏
  • 発売日: 2011/10/25
  • メディア: 文庫
 

 

 シリーズ第2巻。唐の都長安では次々と奇怪な出来事がおこり、空海は時に自ら、時に巻き込まれつつ様々な事件に関わっていく。少しづつものごとの裏に暗躍する大きな存在を感じつつ、空海はことの真相を目指す。

 

 相変わらずさらさら読める。流れるような物語の中で、いろんなことが動いている。あれこれと想像してみるのもおもしろい。

 

 最盛期の長安という都の描写がとても良い。大陸中のあらゆる人種が入り混じり、あらゆる文化がないまぜになり、坩堝としての長安の姿は大変おもしろい。歴史に疎い僕などからすれば「こんな大昔にこんな都会があったとは」という感じだ。

 

 全4巻の長編なので、まだしばらくあれこれと物語は動くのだろう。結末をあれこれ想像しながら、いにしえの長安の都を楽しんいきたいと思う。