- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1992/12
- メディア: 文庫
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・わしは地球の周りをぐるぐる回りながら・・・
地球が生き返るのを待つとしよう・・・(猿田博士)
・たかがナメクジですって・・・ひどいことをおっしゃるな。
わたしだって命はおしい!(最期のナメクジ)
・今度こそ信じたい(火の鳥)
日本人なら知らない人はいない「マンガの神様」こと手塚治虫さん。彼のライフワークである火の鳥シリーズはまさにすばらしいの一言。マンガの表現の1つの究極形だと思っています。残念なが手塚治虫さんが亡くなったしまったため、未完の大作になってしまいましたが、むしろこのシリーズに関してはそれでよかったのでは思います(いや、読めるもんなら読みたいですが・・・)。結末は読者がそれぞれ想像していくことで、火の鳥は完成形になるんじゃないでしょうか。
で、ぼくが特に好きなのは2巻である「未来編」。
文明の後退・・・機械じかけの神・・・地球の死と復活・・・生命の誕生と衰退・・・宇宙生命≪コスモゾーン≫・・・。なにもかもが壮大で、それでいて描かれるのはそれぞれの登場人物一人一人の等身大の苦悩や孤独であり、奇妙なリアイティがそこにあります。そしてあらゆるものは生きているとするコスモゾーン(現在ではガイア理論というそうです)という難解な題材がなんともわかりやすく、ごくごく自然に表現されています。火の鳥のエッセンスと手塚治虫さんの生命感がこの一編に凝縮されています。これを読まずに生きていくのはもったいない!必ずいつもの世界が違って見えるはずです!