スミス・マルクス・ケインズ ウルリケ・ヘルマン
経済とはなんなのか。その答えはまだ出ない。一方で現代の経済学は本当に適切なのだろうか?この本では、現代経済学の「主流」の中で、忘れ去られ、あるいは曲解された理論に注目して経済学を再構成しようとしている。アダム・スミスの自由主義。マルクスの資本論。ケインズの貨幣論。現代経済学が目をそらそうという論理にこの本は真っ向から勝負する。
経済はもはや人間社会から切り離せない存在となってしまった。
この本から学べることは人間社会の不完全さであろう。われわれは2,000年以上の月日を得てなおあまりにも不完全なのだ。
結局のところ、お金はそれそのものに価値は無いのだ。お金は流れたときに価値を生み出す。つまり水のようなものなのだ。水たまりに価値はないが、その水を流し水車を回せば価値が生まれるのだ。
資本主義は強引に人類社会を進歩させた。一方で、その本質として格差を拡大させた。いや、正確には富を一極集中させている。資本主義は富を集中するシステムなのだ。他方、社会主義は富の再分配のシステムだ。結局、これらに大事なことはバランスである。極端な資本主義も社会主義も人間社会を崩壊させる。
新自由主義という名の剥き出しの資本主義が人々を襲う時代。われわれはどう生きるのだろうか?