続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

蝸牛考  柳田國男

蝸牛考 (岩波文庫 青 138-7)

蝸牛考 (岩波文庫 青 138-7)

柳田國男が蝸牛(かたつむり)の方言を題材に言葉の起こりやその変遷を論じる一冊。方言周囲論に集約されるその内容は、実に広く深く日本各地のことばを収集した柳田翁ならではのもの。

現代日本はあまりにも統一されてしまった。蝸牛を表す方言だけでも、実に多様な言葉があることを思えば、日本の文化もまた実に多様であることが伺える。『かたつむり』もまた一つの方言なのだ。

古いものが、新しくより良いものへと変わっていく。確かにそれはあるのだが、その進化は一直線に全てが並ぶわけではない日本の国にある様々なは文化もまたことばと同じである。

国際化の中で、日本とは、日本人とは、ということを考えなくてはならないと時代になった。その時、答えが一つにまとまってしまうことはとても恐ろしい。この小さな島国にも、色んなものがある。どれもとても大事なものなのだ。