続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム

 

 With great power comes great responsibility (劇中のとある人物のセリフ)

 

 スパイダーマン新三部作の3作目。前作で世界中に正体を知られたスパイダーマン。果たして彼の運命は?

 

 見終わって気づいたのはこの三部作の構造がこれまでのスパイダーマンと大きく異なるとだ。このシリーズ三部作は「スパイダーマンが誕生するまで」を描いたと言ってもいい。過去の2シリーズが1作目の序〜中盤にかけてやってきたことを、3作丸々かけて描いたといえる。

 

 だからこそ、本シリーズのピーター・パーカーはいつまでもどこか甘いところのある「ふつーの学生」だった。スパイダーマンというスーパーヒーローはその超能力だけで成立するのではないのだ。心をともなって初めてヒーローといえる。それは上の劇中の人物の言葉に代表だされている。

 

 一方で、本作は過去のスパイダーマン・シリーズたちの総集編ともいえる。そのためにドクター・ストレンジを引っ張り出し、マルチバースの世界を舞台にした物語が紡がれた。どうしてそんなことをするのか。たぶん、大きなピリオドが打ちたかったのだ。スパイダーマンというコンテンツの映画に。たぶん、それは成功した。次のスパイダーマンはどうなるのだろう?実はそれこそが、ぼくの一番楽しみなところである。