続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

イグザム

エグザム(字幕版)

エグザム(字幕版)

謎の企業の入社試験。試験管へに質問はなし。世の中のルールなし。問題用紙は白紙。果たして企業の狙いはなんなのか。試験の合格基準とは?優秀な受験者は、質問と答えを求めて、そして互いにだしぬくため、共同戦線を組むのであった。

謎の密室で見知らぬ人々が共闘するという設定はいかにもキューブっぽい。一人だけ、そこに精神異常者がいるのもキューブだ。キューブでは登場人物は命がけで謎解きにあたる。一方こちらは命までは取られない。未来の職とそれによって得られる俸給のために登場人物はしのぎを削る。つまりこれは劣化版キューブである。

結局、オチもなにもかもキューブの劣化に過ぎなかった。強いて言うなら全体にただよう緊迫感はなかなかのもの。ただし、緊張は緩和があってはじめて価値が生まれる。ひたすらに緊張感を高める本作の手法は、やはり劣化版キューブと言わざるを得ない。

ただ、面白みにかけることを除けば、極限状態の人間を描く映画としてのリアリティは十分。悪い映画ではないが、もう一つ工夫が欲しかった。