『あいつが息子を殺した・・・』(グラス)
上のセリフがストーリーの全て。仲間に裏切られ、息子を殺された主人公グラスは復讐の鬼と化し『蘇る』。
グラス役のデカプリオの演技は凄まじい。中盤、グラスはほとんど1人で氷の雪原から砦を目指す。喉は潰れ言葉を発することもできない。それでも、凄まじい復讐の念。それに支えられた生への執着を恐いほどに感じさせる。超接近して見上げる角度のカメラワークがそれをさらに引き立てる。
強欲、裏切り、騙し、復讐と凄まじい人間の業が描かれる。一方で時折挿入される自然の画がすごくキレイだ。自然と人間の対比に、人間の小ささを感じるとともに、その小さな人間の持つ凄まじいエネルギーを感じる。こちらは坂本龍一の音楽が盛り上げる。
映像も音楽も素晴らしいの一言だった。1800円払ってもお釣りがくるいい映画と思った。