続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

忘れるということ

 仕事しながらふと忘れるということの大事さに気づいたのでメモ。

 忘れるいうことは意外と大切だ。というのも、どうしても人間一人で考え事をすると知らず知らずのうちに偏りが生じてくるからだ。偏りは冷静な目を失わせ、正しい判断をできなくする。結果、仕事は誤った方向へ進んでしまう。よほど仕事に熟練した人でもない限り、たぶんこの偏りを逃れることはできない。そこで重要になってくるのが「忘れる」ということだと思う。

 「忘れる」ということは、仕事のための知識を一旦白紙に戻すということだ。白紙の状態であれば、偏りが生じることはない。すなわち白紙の状態で物事をとらえなければ、正しい判断はできない。この状態で仕事を見直すことが大切だ。一人で考え事をするとすくなからず、方向を誤る。「白紙の状態」でこの軌道を修正するのだ。こうしてなんども修正を加えていくことで、仕事は正しい方向へ進む。自分で自分自身をチェックするのだ。もちろん上司や友人にチェックをしてもらえるならそれでもいい。ただ、それはあくまでも最終的なチェックであって、そこに至るまでに自分の中で仕事の完成度を高めることは必要だと思われる。また、自分自身でミスに気づくことが一番の勉強になる。納得もいく。

 ただ、「忘れる」までボーっとしているのは時間の無駄だ。他に仕事があるならそれをするべきだ。できれば全く違う仕事をしたほうがいい。頭のなかで仕事に使える容量には限界がある。このスペースを全く別のものでおきかえてしまうのだ。自然消滅をまつより、自分で新しい情報をいれて、古い情報を押し出してしまう方が効率がいい。さらに、この新しい情報を持った状態で前の仕事に戻ると、一時的に以前とまったく異なる視点で仕事をとらえることができる。様々な視点を持つことは大切だ。自分ひとりの考えでは他人とのディスカッションに耐えることはできない。相手のことを理解しなければ、相手と会話が成立しないからだ。

 そんな訳で、仕事に熟練しないものにとって「自分自身のチェック」と「新しい視点」のためには「忘れること」が必要なのだ。仕事に行き詰ったときは、思い切って仕事をしないほうがうまくいくのかもしれない。