続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

戦場のメリークリスマス

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正しいとはなんなのか。そんなことを考えさせてくれる素晴らしい映画。

人は正しいと信じるものに縋って生きている。だから、すがるものが違えば相容れない。しかし、そんな相容れない人間の間にもほんの一瞬だけ理解し合える(ように思える)瞬間があるものだ。その瞬間のために、人は生きているのかもしれない。

作中では酔っ払ったハラがローレンスをクリスマスに釈放するシーンこそその瞬間である。そして、この映画の全てなのだろう(英語版タイトルはMerry Chrismas Mr. Lawrenceである)。このワンシーンのために、3時間を超えるこの映画は作られたと言っても過言ではない。

戦時下というギリギリの緊張感が、この一瞬だけフッとゆるむ。思わず笑みがこぼれる。人生も同じかもしれない、と感じた。