続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

赤緑黒白 森博嗣

Vシリーズもついに最終巻。スプレーで真っ赤に塗りつぶされた死体が発見された。一体犯人の目的は…。あざ笑うかのように、第2の死体は緑に塗装されていた。被害者の名前は赤井と美都里。いつもの阿漕荘メンバーも巻き込まれ、正体の見えない事件は進む。

テーマとしてはSMシリーズの『封印再度』に近いが、ちょっと違うか。

どちらかといえば、他で公開されている短編やSMシリーズとのつながりが見えるのがファンとしては嬉しいところ。

SMシリーズと比べるとパンチに欠けるイメージのあるVシリーズだけれど、クラシカルでシンプルなミステリとして完成度は高い。同じミステリでも、こういった細かい描きわけができるのが著者の凄さなさだと改めて感じた。