続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

朽ちる散る落ちる 森博嗣

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

前々作の舞台である超音波研究所には地下室があった。なぞの地下の密室で、男の死体が発見される。一方、紅子は奇妙な縁から宇宙船での皆殺し事件を知る。2つに事件の影にうっすらと見える共通点。果たして事件の真相は?

やっと手に入れたVシリーズ9作目。なぜかこの一冊がなかなか見つからず苦労した。

事件に挑むのはいつものメンバー。もはやおきまりのパターンだが、このクラシックな感じが本シリーズの持ち味でもある。ただ、ちょっと飽きた感じも否めない。

前作を読んでから間が空いたからかもしれないが、いまひとつお話に乗り切れずわくわくさせてはもらえなかった。トリックも森博嗣ファンなら気がついてしまいそう。

ちょっと楽しかったのは、過去の短編との繋がりがそこはかしこで見えたことだろうか。あとやっと「へっくん」がしゃべった。たぶん今作が初ではないだろうか。

今回の見どころは「紅子さんの母の顏」だろう。事件にへっくんが巻き込まれ、紅子さんが珍しく冷静さを失う。垣間見える新たな一面に紅子さんファンは心震わせることになる。

とはいえ、全体としてあまり切れ味を感じる作品ではなかった。次作がVシリーズラスト。こっちのほうに期待したい。