斜陽日記 太田静子
- 作者: 太田静子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/06/07
- メディア: 文庫
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『大丈夫。私のことは大丈夫。お母さま!美しいものや、優しいものは、きっと残ります。戦争に敗けて、国がなくなっても、美しいものが滅びることはないと思います。たとえ、滅びても、物語が残ります』(静子)
これは生の日記である、と作者はあとがきで綴る。大戦を背景に描かれる日々の暮らし。上流階級からの没落。母の病。淡々と静かで、それでいて張り詰めた弓のようにするどい日常。
母、静子、その周りの人々。それぞれが自分の生き方を探りながら生きていく。戦争があろうと無かろうと、そこに人は生きている。生きている人間は哀しく、美しい。