続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

贈る物語 Terror 宮部みゆき編

 

贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)

贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)

 

 心の外にあるものを欲しがると、怖い目にあうよ。(巻頭文)

 

古今東西のホラー小説を集めたアンソロジー。

 

編者、宮部みゆきがそれぞれの物語を紹介してくれる。短編映画を連続で、解説付きで観ているような楽しさがある。読書が苦手でも、宮部みゆきの口車(?)に乗せられて、ついつい読みたくなってしまう。

 

収録されているお話はじわじわとくる恐怖系のものが多い。この辺りは編者が女性だからだろうか。恐怖はその正体がわからないからこそ恐怖であるともいえる。恐怖の小体を模索して、アレコレと考えてみるのも楽しみ方の一つだろう。

 

個人的にはフィリップ・K・ディックの「変種第二号」が気にいった。SFとホラーとミステリを絶妙に配合した感じが良い。長めの話だがテンポが良く、ストーリーに引き込まれる。映画にしたらおもしろいと思うのだが、誰か作ってくれないだろうか。

 

もう一つ、デイヴィッド・マレルの「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」もおもしろい。狂気の画家ファン・ドールン(明らかにファン・ゴッホがモデルである)の絵画を研究したものは、みんなドールンと同じく狂っていく。友の死を契機に、主人公もドールンの絵に魅せられていく。果たしてドールンの絵んい潜むものとは・・・。

 

どちらも最後には謎が解け、恐怖の正体がおおむね明らかになるものだった。ミステリ好きとしては、やはり投げっぱなしよりは解答を示してくれたほうがスッキリするのだ。ホラー小説の読み方ではないのだが。