- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2011/04/28
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いわずと知れた喜劇王チャップリンの映画。有名なシーンは知っていても、全編通して観たことは無かった。
そして開始十分で衝撃を受けた。白黒なのはもちろん、まだトーキー映画が普及しかけに時代なので台詞がない。でも、ちゃんとわかるのだ。
つまり演技とか、舞台設定とかでヴィジュアルの要素だけでちゃんとわかる。一部に、時間経過を省略するため画面に文字でストーリーが表示されるが、それだけで十分なのだ。映画の本来はこういう動きで魅せる所にあるにだと感じた。台詞は補足でいい。逆に最近の映画は台詞で状況を説明しすぎるように思う。観ることで伝わるものがもっといっぱいあるはずだ。
ストーリーは今となってはありきたりかもしれない。極端な資本主義の結果、効率ばかりを求めて機械のように働く人間。そこから脱却し「人間らしさ」を求めて彷徨うチャップリンとヒロイン。すでに世の中には受け入れられない存在である2人が、励ましあいながら生きることを模索する。そしてその悲哀を喜劇に昇華させるのがチャップリンの巧さだ。
多少過剰な表現で、失敗や苦しさを笑いに変えていく。なんだか手塚治虫の漫画に似たものを感じた。立川談志の落語にも似ている。たぶん、こういう人たちに大きな影響を与えたのがチャップリンという喜劇王なのだろう。