- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2009/11/20
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『あの悪夢は俺のものだ!見せものじゃあない!』(ジョン・マルコヴィッチ)
演技や操るということを通して、自我とは何かを考えさせる怪映画。
しがない人形操り師のジョンは、職を求めて7と1/2階のオフィスに就職する。そこで彼は15分だけ俳優ジョン・マルコヴィッチの頭に入ることのできる謎の穴を見つけるのだった。穴に振り回され、ジョンとその妻はおかしな事態に巻き込まれていく。
本作屈指の恐ろしさは美女マキシムの存在だ。ジョンは最終的にマルコヴィッチの意識を完全に操り、意識を乗っ取ってってしまう。その地位や金を自分のものとする訳だ。しかし、それはマキシムの策略であった。彼はマキシムに恋していたのだ。そしてマルコヴィッチを乗っ取ったのも、マキシムと愛し合いたいがための行動であった。
人形操り師の技術でマルコヴィッチを操ったジョン、女の本能でジョンを操ったマキシム。この2人は似ているようで全く違う。肉体を操るジョンと比べ、マキシムはジョンの心を自在に操ったのだから。
そして2人の闘いにまきこまれたマルコヴィッチが可哀想すぎる。終盤彼がおよそ8年ぶりに意識を取り戻すシーンは名演である。
『自由だ。・・・本当の自由だ・・・』
とつぶやくマルコヴィッチの姿は実に物悲しい。