- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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「後〜」に続いて(順序は逆だが)第一作目も読んでみました。
江戸時代、裏の世界の住人たちが、あちらを立てればこちらが立たず、どうにも行き詰まった世の中を巧みな仕掛けで丸く収める・・・。
妖怪話を利用した巧みな仕掛けと、それを操る小悪党たちが実にかっこいい。事件の裏にある人の醜さ、世の儚さを誰よりもよく知りながら、それでも彼らは絶望せしない。もはや表の世界ではどうにもならない行き詰まりを、裏の世界のやり方で解決する。妖怪ものなので話自体は暗いですが、最後に描かれるのは「希望」。彼らの仕掛けこそ最後の希望なわけです。
読んだ後、世の中捨てたもんじゃないなぁ・・・と思える作品。きっと今も小悪党達が世界の裏にいると信じて・・・!