続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

 

 

 

ぼくはシャーロック・ホームズ(原作)のファンです。以下はその前提でお読みください。

 

ごめんなさい。開始10分で観るのをやめました。個人的には面白い、面白くない、以前にアウトです。ホームズファンの触れてはいけないところに触れている。

 

なにがアウトかといわれれば「アイリーン・アドラーを画面に映した」ことです。シャーロッキアンには言うまでもないが、アイリーンは「ボヘミアの醜聞」に登場し、ただ一人あのホームズを負かした女傑である。それ以降、ホームズのなかでは「あの女(the woman)」とは彼女を指すことになるのだ。

 

しかし、この事件によりアイリーンはアメリカに渡ってしまう。断定はできないが、まず2度とホームズと会うことはないであろう。

 

そんなアイリーン・アドラーをこともあろうに冒頭で画面に映し、しかもホームズと接触させた。しかもアイリーンはホームズに逆転勝利する。暴力を借りて、だ。ボヘミアの醜聞を読んだものであれば、アイリーンが暴力に訴えるタイプでないのはわかるだろう。そして、何があろうとアメリカからロンドンへ戻るタイプでないこともわかるはずだ。アイリーンとホームズが本作のような形で接触するのは原作ファンにはありえないのだ。

 

前作は結構原作に忠実だった。ロバートダウニーJrが演ずるホームズも原作をかなり意識していた。少なくとも「シャーロック・ホームズの冒険」と「緋色の研究」を読んだ者作品であったと思う。ホームズらしさをうまく抽出した作品だった。監督は同じなのにどうしてこうも違うのか?むしろその謎をホームズに解いてもらいたい。