若きウェルテルの悩み ゲーテ
「天上の神様よ、人間は物心のつかぬ以前か、分別を失ってしまった以後かでなければ幸福にしていられない。あなたはこれを人間の運命と決めたのですか」(ウェルテル)
青年ウェルテルの恋と青春を描くお話。
前半は書簡形式で、ウェルテルが妹ウィルヘルムにあてて自らの近況を語る。愛すべきロッテとに出会い。恋。失恋と未練の心。ウェルテルの赤裸々な告白は恥ずかしいくらいだ。ロッテの一挙手一投足をを読み解き、一喜一憂する姿は滑稽なほど。しかしこれが恋なのだろう。周りが全く見えていない。
後半は編集者の記述としてウェルテルが死に至る最後の日々を描いている。ウェルテルは死に対峙してなおもロッテの恋心に支配される。死さえもロッテの為として、自己犠牲の心を胸にまっすぐ突き進むウェルテル。悲しいほどの愚直さ。燃え上がるような激情。どうもぼくには激しすぎて、実感がないのだった。