続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

リンダリンダラバーソール 大槻ケンヂ

リンダリンダラバーソール (新潮文庫)

リンダリンダラバーソール (新潮文庫)

『ヤカンでも鍋でもコーヒーはいれられるさぁ』(エラカタくん)

1990年ごろ、日本にはバンドブームというやつが起きていた、、、らしい。ぼくはその時代をよく知らない。

ただ、この本を読んで感じることは、少なくとも渦中のバンドマンたちにとってそれは未曾有の激流だったということだ。

大槻ケンヂはそれを、時代の転換期に生じるひずみ、と称した。どんな分野においても、このような現象はおこるのだろう。そのとき、激流のなかには様々な選択肢が存在している。ほとんどの人間は、一生に一度ぐらいは激流の中で選択を迫られるのではなかろうか。

個人的には上にあげるエラカタくん(仮名)の存在が大きい。周りのほとんどの人間が激流に揉まれる中、彼だけはその外に居る。外に居ながらも、その志は渦の中であがく連中と同じだ。なんだか妙にうらやましい、と思った。