続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

幽談 京極夏彦

『俺はさ、観察してるから知ってるぜ』(〔知らないこと〕より、兄』

京極夏彦の短編集。

京極堂シリーズにあるような、頭の後ろがビリビリと痺れるような得体の知れない恐怖が描かれる。

この分かるようで解らない恐怖こそ『幽けきもの』なんだろう。なんとなく形があるように思えて、その実何もないかのように手応えがない。そのギャップに人のもつ想像力が勝手にこの世ならざるものを見る。

この本を読んで怖いと感じるのなら、きっとあなたは想像力豊かなのだ。