続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

宮本武蔵(二) 吉川英治

宮本武蔵(2) (吉川英治歴史時代文庫)

宮本武蔵(2) (吉川英治歴史時代文庫)

『・・・おれはまだ若い』(宮本武蔵

武蔵の武者修行の旅。

宝蔵院を去り次は柳生へ。柳生石舟斎の片鱗に触れ武蔵は圧倒される。自分の進む道のはるか先にある人に触れたのだ。自分の未熟さに打ちのめされつつも、次は吉岡一門へ、そして鎖がまの名手、宍戸梅軒のもとへ。

一方で佐々木小次郎も登場。野生児のような武蔵と違い、豪快かつ礼儀をわきまえた武士として描かれる。果たして2人の運命はどうもつれて巌流島へ行き着くのか。漫画バガボンドの小次郎とは別人でびっくりした。

主役2人が出揃って、一方で脇を固めるお通、又八、朱美などもどんどん動いていく。タイトルこそ宮本武蔵だが、この物語は群像劇なのだ。武蔵に焦点を合わせつつ、視界の端に見える動きも逃さない。運命の複雑な絡まりが深い物語を読ん織りなしていく。