続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

悪魔が来りて笛を吹く 横溝正史

いま筆をとってこの恐ろしい物語の、最初の章を書き起こそうとするにあたって、私はいささか良心の呵責なきを得ない(著者)

金田一耕助シリーズ第4弾。恐るべき、悲しい復讐の物語が幕を上げる。

全編に漂うどんよりとした靄のような感じが素晴らしい。推理小説のお手本とも云うべき、良い暗さ加減がこの小説にはある。真っ暗闇ではいけないし、日の当たる場所にあってもいけない。グレーな感じが推理小説には大切なのだ。