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続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

宵山万華鏡 森見登美彦

 

宵山万華鏡 (集英社文庫)

宵山万華鏡 (集英社文庫)

 

 「でも頭の天窓が開いただろう?」(乙川)

 
森見登美彦の短編集。全て京都のお祭り「宵山」をテーマとしている。ちょっとずつ各話がリンクしていて、全体の世界観を作り出すあたりがぼくの琴線に響く。
宵山を舞台に、薄気味悪い怪奇談が、ばかばかしくも壮大なネタが、ホロリとくるお話が繰り広げられる。
 
個人的には、森見登美彦なりの一つの終着点ではないかと思う。これまでに作者が見せてきた色々な顔が、ここに一度に集約している。そして万華鏡のようにころころと形を変えて読者を翻弄する。一つの物事も、角度を変えれば、捉え方えお変えればこんなにも違うものになるのかと感心させられる。
 
反面、どの方向にも突き抜けてはいないので「森見登美彦のこの作風が好き!」といったこだわりのある人にはいまじとつかもしれない。