続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

談志のはなし 立川キウイ

 

 落語家・立川談志の最後の弟子、立川キウイが師匠の思い出を語る一冊。この手の本には立川談春の「赤めだか」や立川志らくの「雨んなかのらくだ」があるけれど、この2人は立川一門の中でも高弟にあたるので、談志との距離も近い。立川キウイは最後の弟子ということもあって、師匠談志との距離感がまた二人とはちがう。その辺がおもしろいところだろうか。

 

 師匠・談志のエピソードも多々あるが、同時にそこにあるのは古い良き落語界の姿だ。それはかんたんにいえば「江戸っ子」ということだろうか。たぶん、立川談志が育てようとした落語の芽は、この落語界の空気の中から育つのだろう。

 

 COVID-19で世の中随分と変わってしまった。談志ならいまどんな噺をするだろうか。