007 No time to die
007シリーズ最新作。MI6を引退したボンド。前作のボンドガール・マドレーヌとすっかり出来上がってしまい、彼女を連れてイタリア旅行。悠々自適の引退生活を送るも、彼にスペクターの影が忍び寄る。果たして黒幕の正体は?MI6内部に見え隠れする不穏な動きは一体?ジェームス・ボンド、一世一代の大立ち回りが始まる。
僕自身は世代的にはピアース・ブロスナン世代で、今のダニエル・クレイグのボンドはちょっと苦手。ちょっとワイルドすぎるんだよなぁ・・・。しかし、今の007シリーズは一話完結でなく大きな流れが全体を貫いていて、映画としての出来は素晴らしい。先入観だけで映画作品を否定してはいけない。本作は、ダニエル・ボンドの最終作。それに相応しい最高の映画に仕上がっている。
ジェームズ・ボンドに結末が与えられたのはたぶん本作が初めてではないだろうか。ピアースのころにはミッションが終わったボンドは世界を放浪しバカンスを楽しむものだった。あくまで過去のボンドはミッションの中で己の情熱とそのスキルを最大限発揮するのだった。本作でダニエル演じるボンドはもっと直感的でプライベートな存在だ。彼はまさに一個人として巨大な悪と退治し、持てる力をふりしぼって戦うナイスガイなのである。
本作では複数のボンド・ガールが出てくるが、個人的にはキューバでちょっと出てくる女の子・パロマが最高にかわいい。いやもうこの人をメインに持ってきてほしかった。やっぱスタイリッシュなガンアクションで、ボンドと流れるような絶妙なコンビネーションを発揮するセクシーガールは最高である。
エンタメ映画として流石の出来のこの映画。シリーズの締めくくりとしてもよくできている。しっかり地に足ついた良作である。ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは完成したといってなんら問題ないだろう。