金子みすゞ童謡集
大正時代の詩人・金子みすゞの童謡集。その優しい視線はすべての読者の心にさわやかな風を送り込む。
最近だと”こだまでしょうか”の詩でおなじみの金子みすゞ。しかしそれ以外にも素晴らしい詩がたくさんある。その目線は常に周囲のものを優しく見守り、そして想像は宇宙を駆け巡っている。
この素晴らしい詩人が、わずか26歳で自殺したという。「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」という言葉が頭をよぎる。金子みすゞは優しすぎたのかもしれない。
さわやかな詩であるが、ことばの1つ1つには重みを感じる。これは大正という時代がそうかんじさせるのか。いや、ぼくらが普段目にすることばには重みがないのかもしれない。SNSいうことばの氾濫する今の世の中では、ことばの真の力は薄れてしまっているように思われる(このブログもその一因である。反省)。そのつぶやきはあなたの本当のことばだろうか。そんなことを考えてしまう。
心に影さす人に読んでもらいたい一冊。少しの間かもしれないがさわやかな風を感じることができるだろう。