続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

旅のラゴス 筒井康隆

 

旅のラゴス(新潮文庫)

旅のラゴス(新潮文庫)

 

  人類文明は崩壊した。しかしそれでも人々は生き続けている。新たな世界を創造しながら。一人旅を続ける男・ラゴス。その旅と彼の人生が交錯していく。

 

 人類の続きを描く筒井康隆SF小説。ハード過ぎずソフト過ぎず絶妙なバランスだと思う。ある意味、最も一般受けするSFなのだろうか。章ごとは短編ぐらい短いのでリズムよく読めるし、SFは苦手と言う人もこれは大丈夫かも。

 

 個人的にはラゴスが本をむさぼり読むシーンが好きだ。情報過多で知識に飽き飽きしている今の時代に、逆に貪欲な知識欲というのはなんだか新鮮に思える。また、ラゴスが学問や知識の位置づけを整理しているのも良い。なぜ学ぶのか。そのためにどのような学問が必要なのか。そんなことを見直した気がする。