続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

続・終物語 西尾維新

 

続・終物語 (講談社BOX)

続・終物語 (講談社BOX)

 

  「そんなゆるい企画でいいんですか〜!?」(阿良々木暦

 

 物語シリーズ・・・えっと何作目なんだろう。終物語を終え、主人公・阿良々木暦は大学受験の結果を待つ身となった。春休みのある日、暦は家の洗面所の鏡をみる。鏡の中では自分が止まっているように見えた。そして、暦の日常に異常が起き始める。小さくなった火憐ちゃん。「ねこ」状態の羽川。陽気でうざい斧乃木余接。果たして何が起こってしまったのか。

 

 またもフラリと読んでみた物語シリーズ。今作は、うーん、いまひとつパンチに欠ける。ある意味、本当に「100%趣味で書かれた小説」なのかもしれない。ある意味でIFであり、描きたくても描けなかったものを、「理屈のない世界」という舞台を用意することで西尾維新が消化(昇華)したんじゃあないだろうか。

 

 ラノベらしく、軽妙で、下手に考えることなく読み進められる。楽しめる1冊だ。でも、そこにグサッとくる針というか、毒というかを仕込むのが物語シリーズだと思っていたのでちょっと物足りない。とはいえ、これは趣味で書かれた小説なのだ。これはこれでいいじゃないか、とぼくは思った。