続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

コンスタンティン

 

コンスタンティン (字幕版)

コンスタンティン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 キアヌ・リーブス主演のアメコミ映画。マトリックスの頃なので、容姿的には絶頂期のキアヌが見れる。主人公、ジョン・コンスタンティンは天国と地獄の調停者。この世界では、天使か悪魔と人間の中間の存在、ハーフ・ブリードが人間社会に紛れ込んでいる。純粋な天使や悪魔は人間界には入れないが、しかし天国も地獄も紙一重で人間社会のすぐ側にあるのだ。天国と地獄は今も世界の覇権を狙って争っている。コンスタンティンが純粋な悪魔(ハーフではない)が取り憑いた女の子に遭遇するところから物語は始まる。世界の均衡が崩れようとしていた。

 

 個人的には非常に好きなアメコミ映画。昔劇場で見た時はまだ高校生ぐらいだったろうか。今見ても強い宗教色とストーリーの完成度の高さから気に入っている。

 

 キリスト教、とくにカトリックの描く世界観がうまく表現されている映画ではないだろうか。個人的にはルシファーの描写がいいと思う。白いスーツに身を包み、獣の唸り声をあげる。カトリックの世界の悪魔とはこういういう存在なのだろう。スーツを着ながらも足もとは焼け爛れた素足であることもポイントだ。靴とは人間性なのかもしれない。

 

 また、人が天国・地獄のどちらへ行くのかが非常にビジネスライクに決定される。そこには明確なルールがあり、死者の行いが全てである。これは日本人(の仏教や神道)には無い感覚だろう。心づもりは関係ないのだ。善人でも悪人でも、ルール上天国へ行くに値する行為を成せば天国へいけるのだから。このへんが欧米と日本の文化の根っこの部分で大きく違うのではないだろうか。

 

 おおまかなストーリーは映画中で消化されているが、ちょこちょこと考察の余地があるのもこの映画のいいところだ。悪魔は基本的に上顎から上の頭部、すなわち眼と脳を失っているのに、なぜサタンの息子マモンには頭部が完全にあるのか、とか。ガブリエルの腕に多数ついている患者IDはなんなのか、とか。脚本がしっかりしているのでたぶん裏設定とかもあるのだろう。この辺がわかるともっと面白いのかな。