続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

南極料理人

 

南極料理人

南極料理人

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

「やりたい仕事が、ここでしか出来ないだけなんだけどなあ」(モトさん)

 

西村淳原作のエッセイを映画化したもの。第38次南極調査隊の日常を描く。男ばかりの8人組。基地は他の基地から遠く離れた南極の孤島・ドームふじ基地。極寒の寒さでは細菌もウイルスも生息しいない。ついでにペンギンもアザラシもいない。加えて富士山よりも高い標高では、お湯も85℃で沸騰してしまう。過酷極まる環境での日々が始まる。

 

映画の中では、まるで男子寮のような、男どもの馬鹿馬鹿しい生活が描かれる。その一方、逃げ場のない孤独のなかで少しづつ個人の日常が侵されいく。平穏な日常の中で描かれるほんの少しのホラーがとてもピリピリしておもしろい感覚だ。

 

人間は知恵と技術で、どんなところにでも日常を築くことができるようだ。そして、それが人間の一番の能力なのかもしれない。そうやって、人間は日常をどんどん拡大して生きてきたのだろう。フロンティアの生活。そんなものを垣間見た映画であった。