続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

ダークナイト クリストファー・ノーラン

 

ダークナイト (字幕版)
 

 

バットマンと宿敵ジョーカーの対決を描くノーラン監督の代表作の1つ。リアル寄りのSFに人間の心の闇を織り込んで物語を描く監督の手法はこのテーマにぴったりだった。バットマンもジョーカーも特殊な能力はない。この2人はただの人間なのだ。そして2人とも心の闇を抱えて戦っている。バットマンは闇を怒りと正義に変えて、ジョーカーは闇を狂気に変えて、ゴッサムで暗躍する。

 

この映画の最大の見所はヒース・レジャー演じるジョーカーの狂気っぷりである。ちょっとした歩き方や、何気ない銃の扱いまでほとばしる狂気が動きにあふれている。この週末には新作映画「ジョーカー」が公開され、ホアキン・フェニックスがジョーカーを演じるがこのダークナイトのジョーカーと比較されることは必然だろう。

 

印象的なのは顔を少し下げ、睨め上げる目線を送るジョーカの表情だ。そこには狂気の裏に隠れたジョーカーの怒りや悲しみが凝集されているように見える。対するバットマンは相手を見下げるシーンが多い。しかしその目はマスクの奥で虚ろに光るだけである。逆にその目には冷静なバットマンの陰にある狂気が滲み出てきているように思われる。

 

決して相容れない二人の超人。しかし、2人はともにゴッサムという闇の中でもがいている。ヒーローやヴィランというヒーロー映画の中でぶち壊すという、実にロックな映画なのではないだろうか。