続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

新竹取物語 1000年女王  松本零士

 

新竹取物語 1000年女王 大合本 全5巻収録

新竹取物語 1000年女王 大合本 全5巻収録

 

 

子供の頃、テレビで見た銀河鉄道999はなぜか僕の心の中にずっと残っている。特別ストーリーを覚えている訳ではないが、壮大な世界観と、その無限の宇宙を旅する少年に心惹かれたのかもしれない。

 

さて、本作はそんな999のラスボス・プロメシュームの物語である。

 

相変わらず壮大なスケールで、惑星ラーメタルと地球の1000年に一度の闘いが始まる。プロメシュームはラーメタル人。地球を導く1000年女王あった。長い年月の中で地球人と心通わせることができるようになっていた彼女は、自分の星を裏切り、地球人たちを救うべく行動を始めるのだった。主人公・雨森始はそんな騒動に巻き込まれていく。

 

てっきり機械帝国の女王としてのプロメシューム誕生の物語かと思っていたが、全然そんなことはなかった。ただ、プロメシュームもかつては地球に住み、人の心を理解できる存在であったことが示される。

 

結局、彼女を機械の女王にしたものはなんだったのだろう。この作品も松本零士先生の中にある膨大な宇宙の歴史の一コマにすぎない。作品にない部分は想像してみるしかない。そして松本零士作品はその想像を楽しむことができるように作られている。非常に面白く、そして現代ではマネできない作品作りである。