続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本 武田友紀

人にはそれぞれ個性がある。その1つとしてアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提案したのが Highly sensitive person (HSP) という性質である。ようは「敏感すぎる」という性質で、エレイン博士によればHSPの人は5人に1人ぐらいの割合なんだとか。本書では、HSPの人を「繊細さん」とし、繊細さんが自身の性質を理解し、生きる苦痛を和らげるためのアドバイス書き記されている。

僕自身はこの本を読みながら「自分も繊細さんの性質があるな」と思った。繊細さんにも程度はいろいろあると思うが、たぶん僕自身は軽いほうの繊細さんなのだろう。改めて文章で示されると自分の一面がはっきりするように感じた。

本書にあるアドバイスは繊細さんが見落としがちな価値観のズレを直してくれる。繊細な人間はマイナーで、そうでない人間とは感覚を共有することが難しいのだ。同じ人間なのだから、お互いに分かり合えるという幻想に繊細さんは陥っているのかもしれない。「みんな違って、みんな良い」という考えもあるのだ。では、それぞれがどう対処すれば良いのか。それを考えるほうが現実に即している。

とはいえこの本のアドバイスには批判的なところはない。著者自身も「繊細さん」であるからだろう。違いを認め、その上でそれを生かし、気持ちよく生きる術がまとめられている。非常に読みやすく、前向きな気持ちになれる本だ。

人間関係を中心に日々ストレスが溜まっている人は繊細さんなのかもしれない。一度この本を読んでみてはいかがだろうか。