続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

こどものダンテ 神曲物語 蘆谷蘆村

こどものダンテ 神曲物語 (国立図書館コレクション)

こどものダンテ 神曲物語 (国立図書館コレクション)

大正14年に販売された「ダンテの神曲」をlこども向けに訳した一冊。非常にわかりやすく、神曲の内容を味わえる。キリスト教の世界観を学ぶのに最適な一冊ではなかろうか。

しかし、この本とても現代の視点からはこども向けに見えない。社会の成熟、進歩に伴って、子供の成長は遅くなる。同じ年でも昔と今では精神の成熟度は全く違うのだろう。今の中学生はおろか、大学生でもこの本を読む人は少ないだろう。かくいう自分もおっさんなのでなんとも言えないが。

またダンテが天国で出会う聖人の中に「近頃の世に中はダメだ。わしらが生きていた頃は…」というようなことを言うやつがいるのには驚いた。いつの世も、何処の世も、年寄りの目からすれば若い奴はダメなのだ。もっとも、ピラミッドに壁画にも同じ文言があるらしいのだが。