アベンジャーズ エンドゲーム
アベンジャーズ / エンドゲーム (オリジナル・サウンドトラック)
- アーティスト: アラン・シルヴェストリ
- 出版社/メーカー: Hollywood Records
- 発売日: 2019/04/26
- メディア: MP3 ダウンロード
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MCUの大看板アベンジャーズシリーズも1つも大きな段階を迎えた。前作では強大な敵・サノスにより宇宙の生命の半分が消失してしまう。落胆する生き残り達。地球に住まう人類に、宇宙のあまねく星々の生命に、大きな影がふりかかる。果たしてアベンジャーズはサノスの手から生命を取り戻すことができるのだろうか。
節目を迎えたアベンジャーズ 。一年前に公開された前半ではアヴェンジャーズとは立場の異なるヒーロー・サノスが描かれた。今度はこっちが、我らがアヴェンジャーズがまさにサノスに「反逆」する物語である。
しかしまあストーリーはおおよそ予想されていた。クリス・エヴァンスは本作で降板することを明言していたし、アイアンマンことトニー・スタークは完全にスパイダーマン を後継者として育てている。キャプテン・アメリカとアイアンマンが何らかの形で物語の主軸から離れるのは明らかだった。死んでもおかしくない。次世代はスパイダーマンを軸としたニュー・アベンジャーズがきっと育つ。この映画はその橋渡しになると思われた。
蓋を開ければやはり2大看板は引退を迎えた。トニーは激戦の末に死亡し、キャップは引退した。キャップの引退については「なるほどそうきたか」と感心した。「アメリカの正義」を象徴するキャラクターであるキャップを死なせる事は現代のハリウッドには難しい。かといってキャップが残り続ければ、どうしても新シリーズの足かせとなる。そこで選ばれた脚本は、キャップにスティーブとしての人生を与える事だった。つまり、普通の人生を、だ。この辺りにアメリカっぽさを感じる。どんなに強い兵隊も、最後に求めるのは平穏な人生なのかもしれない。それを知るのは軍隊や戦争を知る者なのだと思う。
さて、本編はまさかの禁じ手・タイプトラベルである。本作の見どころの一つは、インフィニティ・ストーンによりとんでもない力を得たサノスをどう攻略するかなのだが、今更バック・トゥ・ザ・フューチャー方式は少々古臭いように思う。タイムトラベル物につきものとしてSF的考察の矛盾がどうしても残る。気になる人は気になるのだ。まあ全てはキャップ引退のための伏線と思えばいいのかもしれないが、いやそれは無理だろう。
最後はMCUメンバー総出でサノス軍と戦争を行う。これもまぁそうだろうなというところ。スパイダーマンの続編が決定してるから、少なくとも主要メンバーは生き返るのだろうし、サノスの圧倒的パワー(ハルクを殴り倒す)だったら総出で戦うしかないのである。でもやっぱりこれまでのキャラが総出演で現れるシーンは痺れる。MCUを全部見てるわけではないからお前誰だよってなったりもするけど。そしてこれまた予想通りキャラの出しすぎで各キャラの見せ場が少ない。これは監督が苦しんだんだろうと思われる。この苦しみを思えば「アベンジャーズ(1作目)」の監督は幸せだろう。アベンジャーズはその頃せいぜい6人だけだったのだ。
さて、よくも悪くもお祭り映画であった。それ以上でも以下でもないだろう。最後にアベンジャーズ主要メンバーのラストをメモしておこう。
アイアンマン・・・サノスを倒すためインフィニティ・ガントレット(ストーン付き)のパワーを使い、その反動で死亡する。
キャプテン・アメリカ・・・タイムトラベルにより過去から手に入れたインフィニティ・ストーンを元の時代に返す任務に臨む。しかし、現代には帰還せず過去において「スティーブとしての人生」を選ぶ。
ハルク・・・本編でまさかの体はハルク、心はバナー状態に成長。それができるんならさっさとやれよ。後ハルクの人格はどこいったんだ。
ソー・・・サノスに負けたことがショックだったららしくクソニートに落ちぶれる。しかもネトゲ廃人のクソデブに。スタッフはソーに恨みでもあるのか。一応、ママとの再会や無ムジョルニアの復活もあるけど最終的に陽気なクソデブとしてガーディアンズの一員に。
ホークアイ・・・サノスの指ぱっちんにより家族を失う。ソウル・ストーンの引き換えに自分の命を差し出そうとするが止められる。なんだかんだヤバいことになるも結局生き残り、幸せな家庭に帰る。
ブラック・ウィドウ・・・ホークアイとともにソウル・ストーン回収の任務へ。自らの命と引き換えにソウル・ストーンをホークアイに託す。個人的には結局大した見せ場なく退場した感じでこの人なんだったんだろう。
というわけで前半の引っ張りっぷりに対してもう一つ盛り上がりに欠ける映画だった。なんとなく、この転換期w利用していろんなパワー争いがあったように思われる。その結果がこのまとまりを欠く作品なのだろう。部分部分のやりたい事はわかるが、全体を通しての方向性が無い。チグハグな映画だ。それでも、そこそこ面白いのは過去作品(つまり本作以外)のパワーがあるからだろう。というわけでMCUファンなら一応楽しめる。ファン以外は置いてけぼりだし、新シリーズから見たほうがいい。スパイダーマン・ファー・フロム・ホームまで待つことをお勧めする。