続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

もらい泣き  冲方丁

 

もらい泣き (集英社文庫)

もらい泣き (集英社文庫)

 

 

実話に基づく33の短編を集めた作品。もっとも著者が身の回りの友人からネタを集めて、編集して物語を作っているそうなので完全な実話ではないようだ。元々は雑誌の連載ものだったらしく、ちょこちょこ入る苦労話も興味深い。

 

短編集なのでちょっとした時間に読める。僕は昼休みに休憩がてら1日2話ずつ読むことにした。さらっと通り過ぎていける話もあれば、ぐっと心引き込まれる作品もある。人それぞれ琴線は違うから、この1冊を読んでも、きっと感想は人それぞれだろう。

 

僕はいくつかのストーリーから、前向きに生きることと今を生きることの大切さ、というか格好よさみたいなものを感じた。人間生きてれば本当にさまざまな形で辛いことや苦しいことがある。その時大切なのは今この瞬間にほんの少しでも前へ進もうと生きる姿勢なのではないだろうか。別に辛い時こそ頑張れ、というようなことではない。休むことも前へ進むための準備だ。そうやって一つ一つやっていくことが大切なのだと思う。