続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

黒田如水 吉川英治

黒田如水(吉川英治歴史時代文庫 44)

黒田如水(吉川英治歴史時代文庫 44)

若き黒田如水の物語。まだ黒田官兵衛を名乗っていた頃のはなしである。

兵庫は姫路に居を構える小寺は、中国の一大勢力毛利と、波動を快進撃する織田の間に揺れていた。家臣の一人であった官兵衛はいち早く織田の力を認め、城主へ織田方へ下ることを進言する。しかし、場内には未だ毛利の声も強い。果たして小寺家の運命はいかに。


戦国というシビアな時代の世において、強かに生きる官兵衛の姿が描かれる。官兵衛は自分の利やその場しのぎの判断には身を委ねず、国家泰平の世を見据え、その中で生きていく。織田方にこそその力を見出し、臆することなく秀吉と組した。

大きな流れを見出し、その流れに乗り、決して小事に振り回されない。当たり前のようで、簡単なようで難しい。ぼくにはまだ大きな流れもよく見えないのだ。