続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

銀河不動産の超越 森博嗣

不動産会社に務める私はひょんなことから妙な一軒家を借りることに。一人気だるく生活していた私の周りには、それから奇妙なお客が集まり、物語が転がっていく。果たして私の生活はどこへ向かっていくのだろうか。

日々をただただ生きていくことで、いつのまにか幸せになっていた。そんな物語。なんだ御都合主義か、と思う人もいるかもしれない。いや、ぼくの最初の読後感もそうだった。ただ、読み終わって、改めて最初のページを見たときに「いや、そうか?」と思った。私は随分幸せになった。私の生活は随分変わった。まるで御都合主義のような物語も、私が目の前の現実に向き合い続けた結果ともいえる。本作ではそれを「幸せを築こうとする努力」と表現している。そういうことかと納得した。