続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち 飲茶

 

 

西洋哲学に続いて、東洋哲学の入門書。古代インドの哲学、古代中国の哲学にはじまり今日の仏教、禅に至るまでを、やはり著者独特の軽いオタクっぽいのりで紹介する。マンガネタやネットスラングを取り込むその作風は、改めて思うと今の若い人に「哲学」というものを少しでも近づけようという著者の作戦なのかもしれない。

 

日本人なので、なんとなく断片的に知っている話は出てくるが、やはり大きな歴史の流れはわからない。その大きな流れを少しわかった気にさせてくれるのがこのシリーズのいいところだ。たぶん、細かくみれば誇張された表現などもあって、正確ではないのだろう。それは哲学に興味を持ち、自ら学ぶ中で発見していけばいい。そういう気にさせてくれるのだから、まさに入門書である。

 

しかし、東洋哲学は西洋哲学と全く異なるもので驚いた。そして、哲学が生み出す文化の中で僕たちは生きている。日本人は少なからず根幹に東洋哲学の染み付いた文化の中で育つ。しかし、社会は否応なく西洋文化に飲み込まれている。根っこにある東洋文化と表面を覆う西洋文化。これらが複雑に混じり合った中で現代の僕たちは生きているのだ。