ヴェノム ルーベン・フライシャー
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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「we are VENOM!」
スパイダーマンの宿敵、スパーヴィラン、VENOMがついに映画化。
サム・ライミ版スパイダーマンが大ヒットし、ヴェノムの登場が期待されたのはもうずいぶん昔の話だろうか。結局3作目に登場したヴェノムは「こんなのヴェノムじゃねぇよ」とつっこみたくなるガリガリ野郎だった。挙句、中ボスポジションであっさりやられ、メインヴィランの座はマッドマンに奪われる始末。そして進行中だったスピンオフ映画はいつのまにか忘れ去られるのであった。
そんなVENOMがついに陽の目を見る。デップーが大ヒットした時に、「これはヴェノムが来るぞ」と思っていたが、思いの外早く世の中には現れた。ありがとう、ソニー。
本作のヴェノムはとりあえず宿敵スパイダーマンとは無関係ということになっている。宿主であるエディはデイリービーグル社をやめ、スパイダーマンに会うことなくニューヨークの街を離れた。新たにサンフランシスコの街で記者として活動するエディだが、持ち前の正義感と権力に立て付く衝動を抑えられず仕事をクビになってしまう。彼女にもフラれまさにどん底。さらには事件に巻き込まれ、とうとうエディはシンビオート(ヴェノムを含む寄生生物の名前)に寄生される。自分の中に巣食う化け物に戸惑うエディ。果たして、エディとヴェノムはどうなってしまうのか。
劇中のアクションシーンは実に楽しい。筋骨隆々、驚異的な動きで敵をなぎ倒すヴェノム。獣のように獰猛で、一方で一瞬の隙も無い冷静な動作。これをぼくらは待っていた。
また、宿主エディを気遣うヴェノムの言動も面白い。「扉を開けるな」という類の注意から、「今彼女に謝らないとチャンスがなくなっちゃうぞ」という恋愛関係のアドバイスまで。ヴェノムさんマジ優しい。なんて気遣いのできる寄生生命体なんだ。
ラストシーンは鋼の錬金術士オマージュだろうか。めっちゃグリードっぽい。グリードの元ネタ自体がヴェノムみたいなところもあるので、不思議な感じだが、もしそうならいいなと思う。
原作のヴェノムとは結構設定が変わっているので、気に入らない人もいるかもしれないが、個人的には十分楽しめた。75点ぐらいだろうか。シリーズ化はどうかと思うが、スパイダーマンが登場できれば熱いかもしれない。