続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

カエルの楽園 百田尚樹

カエルの楽園

カエルの楽園

「大丈夫よ。ひどいことにはならないわ。だってナパージュには三戒があるんですもの」(ローラ)

百田尚樹が寓話で描く日本の安全保障問題。ちょっと露骨すぎる感じはするけれど、著者はこれぐらいにしないと今の日本人には響かないと考えているのだろう。

思えば「国が滅びるかもしれない」という危機感は、僕たち日本人には乏しい。海に阻まれ他国が攻め込みにくいこともあり、内側に意識が向かいがちなのだろう。あまり国と国と関係や、国際社会における自国の位置付けに意識が向かわない国民性なのだ。

人間は理性の皮を被っているが、その中身は獣である。手に入るものは欲しくなってしまうものだ。もし、他の国が日本を手に入れられる状況になれば、日本は奪われてしまうだろう。国や文化や歴史は、守らなければ失われてしまうものなのだ。