続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

 

 MCUの最新作。アベンジャーズはこれで・・・3作目?なんかもっといっぱいあったような気がするが、アベンジャーズをタイトルに冠するのは3作目。やっぱりアベンジャーズは各フェイズの締めの役割が強いようだ。

 

ついに最強の敵サノスが動き出す。宇宙の理を司る6つのインフィニティ・ストーン。これがサノスの手に全て渡れば、なんと指パッチンで全宇宙の半数の生命が消えて亡くなる。果たしてヒーロー達はサノスを止めることができるのか。

 

で、感想ですが「これ前編だけじゃねーか!」です。どうやらすでに後半の撮影も済んでいるらしく、来年公開とのこと。いや、予告にそんな雰囲気だしてなかっただろうが。個人的には映画は1本ずつが作品であって欲しい。続編で別のテーマを扱ってもいいけど、一つのテーマは一つの作品で消化すべきだ。本作は1本にまとめられなかったのか。

 

とはいえ、膨れ上がったMCUの世界観を、アベンジャーズとして1本にまとめるのは難しい。なんせそれぞれが主役を張れるヒーロー達の集まりだし、前作シビル・ウォーの経緯もありチームではなくバラバラに行動する。加えてガーディアンズとかスパイダーマンとか、これまたアベンジャーズとは別行動の新キャラも加わって収集がつかない。脚本家泣かせの設定といえる。こんなパワー溢れるキャラたちに、それぞれに花をもたせつつは話をまとめようってのは無理難題である。結果、各ヒーローの掘り下げは浅く、作品全体の薄っぺらさは否めない。

 

おそらく制作サイドもそれに気づいていたのだろう。ヒーローがダメならヴィランを掘り下げる、ということでサノスを掘り下げている。しかし、これもなんともビミョウである。サノスの行動原理は悪ではなくなってしまった。彼は宇宙規模で進む人口(?)増大を解決すべく、ちょっと生命の半分を間引こうとしただけなのだ。いや、十分無茶苦茶だけど、中途半端に善良な哲学がうかがえる。しかも感情移入しにくい。イカレタ善良な市民というキャクターは理解に苦しむ。恐怖のもとにしかならない。結果、制作サイドが意図していたと思われる「アンチ・ヒーロー」的なサノスは客席には届かなかった。

 

本作は、サノスとアベンジャーズの闘いを描いた前半であり、ヒーロー・サノスの側面を押し出した一作である。自分以外の誰かのために闘うなら、彼らは皆ヒーローである。