続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

スパイダーマン:ホームカミング(Spider-Man: Homecoming)

 

 マーベル・シネマティック・ユニバースについに(諸々の事情を解決して)スパイダーマンが参戦!前作「シビル・ウォー」で顔見せを済まし、今度は主役で堂々の登場。どんだけ映画化されるんだスパイダーマン

 

冴えない高校生ピーター・パーカーにはもう一つの名前があった。クモの力を持つ超人「スパイダーマン」である。アイアンマンにその可能性を見出されたピーターは、アベンジャーズに加入すべく、自分の実力を示すべく、親愛なる隣人としてニューヨークの街を飛び回っていた。ある日偶然怪しい武器商人、そして翼を持つ怪人「バルチャー」に遭遇したピーターは、犯人を捕まえるべく立ち上がる。しかし、そこは高校生。空回りしながらもピーターは事件解決に奔走する。

 

スパイダーマンは良い。サム・ライミ監督の初代スパイダーマンからずっといい。ええ、初代はもう16年も前の作品なの?びっくりした。

 

「ひとりの人間」と「スーパーヒーロー」。その矛盾というか、不思議を描くのがマーベル作品の良さだと思う。スパイダーマンの「ドジで多感な高校生」という一面は、どうも幅広く人々の心に沁み込むらしい。陽気で明るく軽口をたたき続けるスパイダーマンのキャラも高校生っっぽくて良い。

 

本作のスパイダーマンは、アイアンマンのバックアップで特殊機能を満載したスーツを装備している。またクモ糸は個人の能力ではなく機械で放つ。とんでもない身体能力と、壁や天井を伝って歩く以外は、これいった能力が無いことになっている。アイアンマンと同じく、中身は人間だけど、スーツの力で強化される風のキャラに仕上がっている。特殊能力満載の超人が、姿を隠すべくスーツを来ていた過去のシリーズとは大きく異なる、

 

これはキャラ付けを大ヒットしたアイアンマンに寄せているように思われる。アインマンも心も体も普通の人間であるトニー・スタークがスーツの力でヒーローとしての力を得た姿である。力の使い方が肝心だ。トニーはさんざん失敗しながらも、アイアンマン3のラストで「スーツは要らない。私自身がアイアンマンなのだから」と心の弱さを(一応)克服した。本作のピーターもトニーの言葉に導かれ、同じ様にヒーローの心に目覚める。この先の活躍が実に楽しみだ。

 

その他、スパイダーマン要素をあえて薄くしたのも本作の特徴ではないだろうか。ベンおじさんは出てこない(すでに故人っぽい)ので、あの名言は出てこない。代わりを務めるのがアイアンマンことトニー・スタークともいえる。正体を隠し、恋人にしか正体を明かさなかったスパイダーマンだが、本作では身バレしまくる。頭は良くともドジっこなピーターのキャラ付けのせいでもあるが、これからどうなってしまうのだろうか。トニーみたいに顔出ししていくのか?そういえばJJJも出てこない。

 

とかく新しいスパイダーマンの物語は動き出した。今後が楽しみで仕方がない。