続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

レディ・プレイヤー・1(Ready player one)

 

メイキング・オブ・レディ・プレイヤー1

メイキング・オブ・レディ・プレイヤー1

 

 スピルバーグ監督が手がけるSF・サブカル・お祭り映画。

 

時は2040年頃。現実世界は究極のバーチャルリアリティゲーム「オアシス」の取って代わられてた。そこではほとんどすべての夢がかなう。食事とトイレと睡眠以外はなんでもできる。誰にでもなれるし、どんな無茶もできる。気がつけば辛い現実に愛想を尽かし、人々はオアシスの虜となっていた。

そんな中、オアシスの開発者ハリデーが亡くなる。最後のメッセージで、彼はオアシスの中にイースターエッグ(隠しアイテム)を残し、これを3つ揃えたものに莫大な遺産と、オアシスの管理権限を与えると伝えるのであった。かくして、現実世界をも巻き込んだ一大ゲームイベントが幕を開けるのでった・・・。

 

「ゲームの世界」という設定を最大限利用して、スピルバーグ監督がやりたい放題の映像を作る!

 

様々な作品から、アバターやゲームギミックとしてキャラクター達が登場する。冒頭からT-Rexキングコングが大暴れし、その中をバック・トゥ・ザ・フューチャーデロリアンに乗った主人公が駆け抜ける。街中にはどこかであったキャラクターがそこかしこにあらわれる。バトルシーンでもこれらのキャラが盛大に活躍する。まさかハリウッド映画でガンダムvsメカゴジラが見れるとは思わなかった。

 

映像面では絶妙なCGの使い方がおもしろい。「ゲームの世界」の雰囲気をだすため、わざとちょっと画質を落とした感じの、以下にも「ゲーム」というクオリティでキャラクター達は造形されている。実にうまいというか、CG技術はとうとうそんなレベルに達したのかと驚いた。

 

30-40代ぐらいのおっさん。特に、ファミコンを夢中で遊び、金曜ロードショウを毎週楽しみにしていたようなかつてのギーグっ子はぜひ観て欲しい。この楽しさはぼくらに突き刺さるのだ。

 

追記(2018-04-21)

イースター・エッグを一つのキーワードとする作品なので、マニアックなイースター・エッグが隠されていそう。スピルバーグ監督だし。むしろパッとわかるようなものはそれを隠すフェイクなんだろう。何が隠れているんだろうか。すごく気になる。

 

追記2(2018-04-21)

よく考えたらこの映画はめちゃくちゃロックである。

作中世界では現実(リアル)はバーチャルである「オアシス」に負けていた。バーチャルがリアルを支配する世界であった。しかし、物語終盤、ある人物が語る。「現実こそがたった一つのリアルなんだ。現実は辛く苦しいことばかりじゃない。現実でしかうまいメシは食えないんだ」と。現実に生きる大衆にも、空想に生きるギーグにもケンカを売った。

 

「どっちか」ではない「どっちも」人生には必要だし、無視できないのだ。スピルバーグ監督の意図はその辺ではなかろうか。「彼岸と此岸」は全ての創作の根っこにあるテーマである。この作品はそのテーマをえげつないまでに掘り返したといるのではないだろうか。