続: ぼくの一時保存

主に読書ブログ。たまに頭からはみ出したものをメモ。

栞子さんの本棚

「ええ、やってみるわ」(『たんぽぽ娘』よりジュリー)

ビブリア古書堂シリーズの題材となった小説の一部をまとめた本。結構奇妙な本で、編集者はおらず、著者は夏目漱石他12名。ビブリアシリーズは2冊ぐらいよんでみただろうか。たぶん、登場順に作品が並んでいるのだろう。また奇妙なことに、半分程度の作品は一部抜粋である。なので最後まで読み切ることはできない。

それでも不思議と楽しめる一冊であった。特にロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」は良かった。とてもキレイなSFである。あとで調べると、これは最近まで絶版の一冊であったらしい。たまたまこの本を手に取らなかったら、生涯読まなかったかもしれない。そして、このたんぽぽ娘はぼくの心に刻まれる一冊になった。

非常に短い短編と、ピンポイントで面白いところを押さえた抜粋作品がコンパクトにまとまった一冊。ジャンルも様々で「小説を読むことの面白さ」が詰まっていると思う。活字嫌いな人にオススメしたい。